冨田さんのブログから・・・

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冨田美穂さん

1979年東京都生まれ
2004年武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画コース卒業
それ以降、北海道で牛にかかわりながら、牛の版画を作っています。

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10月も今日で終わりですね。

富田さんの作品展も、もうすぐ一ヶ月です。
その間、たくさんの方が見に来てくださっていて、
本当にありがとうございます。

そして、たいていの方が感想を書いてくれてます。
牛の瞳と対面して「何か・・・」を感じてくれたのでしょうね。

富田さんの書く文章も牛への愛情が感じられる暖かいものです。
それを丸ごとご紹介します・・・(パクリ・・・?・・じゃぁ、ないよね・・・?)

うしのつむじ

「388正面図」 2007 133cm×69cm 板目木版画
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388は以前勤めていた牧場にいた牛です。 388の本名は、ポーテージ スタンレイ ティー。誕生日は1996年7月6日。私が出会ったころは、もう10歳にもなる、乳牛にしては長生きの、その牧場でも長老の牛でした。
牛にも人間とおなじように、いろんな性格があるわけですが、388は、いつもどっしり構えた、長老らしく動じない牛でした。
私が近寄っても、「ああ、また来たのね」という視線をチラッと投げて、一応においはかいでみるものの、またすぐ反芻を始める、そんな牛。私がなでたりさすったり話しかけても、あんまり喜んだりもしないけど、拒みもしない、いつもそばにいることをおおらかにゆるしてくれる。
よく牛舎の388のところに行きました。
言葉は通じないけれど、388はただ、その黒くて大きい瞳で見ていてくれました。
それが、私には、なによりありがたかったものです。

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388乳(搾乳後) 板目木版 43.5cm×32cm 2008

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388のお乳を後ろから見た、多色刷り油性板目木版。
朝と夕方の搾乳の、合間の時間帯なので、お乳がしょんぼりしてます。
搾乳前にはぱんっと張ります。ふつうは。388はけっこう乳牛にしてはお年寄りなので、さほどでもないですが。
そのうちぱんぱんお乳の作品も作りたいものです

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